TypeScript

エフェクトとジェネレーターと

2 年前に作って放置していたライブラリを最近ちょっと整理したのでその話. エフェクト プログラム中に登場する関数のことを考えてみましょう. 関数は引数を与えるとなんらかの計算を行い, 戻り値を返してくれます. もし関数が純粋な (数学的な意味での) 関数…

TypeScript 版 Mackerel API クライアントライブラリを作った

作りました. jsr.io リポジトリはこっち. github.com (2024-05-12 現在, 筆者は Mackerel を開発している株式会社はてなの社員ですが, これは個人プロジェクトで, API ドキュメントなどの公開されている情報に基づいて作成されています.) なぜ JSR になんか …

Brainfuck 実装で学ぶ TypeScript 型レベルプログラミング

およそ 4 年前に「TypeScript で型レベル Brainfuck」という記事を書きました. susisu.hatenablog.com それから 4 年間の間に TypeScript も進化し, 型レベルプログラミングの技法にも大きな変化がありました. 特に顕著な影響があったものでは, TypeScript 4…

ESLint の設定をエディタ補完や型検査つきで書く

ESLint の設定に関する TypeScript の型情報を提供してくれる eslint-define-config (ESLint 非公式プロジェクト) のご紹介. github.com 使い方 eslintrc の場合は defineConfig, Flat Config の場合は defineFlatConfig で設定を囲むだけで VSCode などエデ…

ビルド用の tsconfig を用意するよりもバンドラに任せた方が楽かもしれない

TypeScript でライブラリ (npm パッケージ) を作るときに, ビルド用の tsconfig を用意することがあります. 例えば以下のような tsconfig.json を作成したとしましょう. { "compilerOptions": { "rootDir": "src", "outDir": "lib", "target": "esnext", "mo…

ESLint の共有設定を Flat Config に対応させる

まえがき こんにちは, 人間 ESLint です. そんな人間 ESLint の私ですが, 私一人があらゆるコードに注意深く目を通して, さらに修正案まで提示するというのは大変です. 多くの問題は機械的に検知できるはずなので, そういった仕事を私の代わりにしてくれるメ…

TypeScript で Cake Pattern

TypeScript で Cake Pattern っぽい DI (依存性注入) をするためのライブラリを作ったので, そのご紹介です. この記事での解説や他の手法との比較は前回の記事を前提とするので, まずはこちらをお読みください. Scala における Cake Pattern Cake Pattern は…

TypeScript の DI 手法あれこれ

TypeScript で DI (依存性注入) するためのライブラリを作ったんですが, それを紹介する前に既存手法をまとめておいた方が説明が楽だなと思ったのでまとめておきます. そもそも DI の目的とは, みたいなところは詳しく説明しないのであしからず. 手法の比較 …

型に対する述語で引数に制約をかける

以前にも同様の記事を書きましたが, 今回はその改訂 + α です. 動作は TypeScript 5.0.4 で確認しています. Playground で試しながら読むとわかりやすいかもしれません. おさらい まずは TypeScript において, 関数に渡される引数に制約をかけたいときに通常…

TypeScript 型レベル関数型プログラミング in 2023

ちょっと前に話題になった hotscript の技法の紹介やら, ラムダ計算を TypeScript の型にコンパイルする話やらなんやら. 通常の型レベル関数 TypeScript の型エイリアスはパラメータを取れるので, これは型レベルの関数であるとみなせます. type IsNumber<X> = </x>…

Node.js の perf_hooks で雑に関数のパフォーマンス計測

イントロ TypeScript で Array#filter を使うとき, 型が期待通りに絞り込まれないというトラブルがよくあります. const xs: (number | undefined)[] = [1, undefined, 2]; const ys: number[] = xs.filter((x) => x !== undefined); // ~~ // Type '(number …

オブジェクト型の重箱の隅

TypeScript のオブジェクト型について比較的触れられる機会が少ないこと (重箱の隅) をただ集めただけの記事です. オブジェクト型やその周辺に明るくなりたい人, または任意の重箱の隅が好きな人向け. 挙動の確認は 2022-11-06 時点の最新版である 4.8.4 で…

TypeScript エラー処理パターン

M 年前にも N 年後にも人類は同じ話をしている. まとめ エラーの発生方法は throw と return に大別できる throw には簡潔さ, return には明瞭さと型安全性といった特徴がある どちらの方法がより適しているかはプログラムの規模, エラーの種類, ハンドリン…

TypeScript 4.8 でやることといえば: negate にていねいに型をつける

TypeScript 4.8 がリリースされました. これでやることといえば? そう, 数値リテラル型の符号を入れ替えることですね. type Negate<N extends number> = N extends 0 ? 0 : `${N}` extends `-${infer X extends number}` ? X : `-${N}` extends `${infer X extends number}` ? </n>…

TypeScript で実行時の入力を含む文字列を型で弾く

TypeScript (4.7 時点) において, 文字列に付けられる型には以下の 3 つ (とそのユニオン型) があります. 文字列型 string 文字列リテラル型 ("foo" など) テンプレートリテラル型 (`data-${string}` など) これらのうち, 実行時の入力, 特に事前にパターン…

Optional Variance Annotations の挙動メモ

TypeScript 4.7 の optional variance annotations の挙動を若干勘違いしていたのでメモ. 例 1 (Playground): type Extends<A, B> = A extends B ? true : false; type Bivariant<T> = {}; type Bivariant_A0 = Extends<Bivariant<"foo">, Bivariant<"foo" | "bar">>; // true type Biv</bivariant<"foo"></t></a,>…

TypeScript をもっと安全にする ESLint プラグイン

TypeScript の型安全性を高めるための, やや思想強めのルールを提供する ESLint プラグインを作りました. ひとまずは以下の記事で紹介したもののうち, それなりに重要度が高く, かつ機械的に検査しやすい「オブジェクトの具体的な形にアクセスするのを避ける…

TypeScript 型レベルプログラミング フリースタイルガイド

TypeScript の型レベルプログラミングのための真面目なスタイルガイドではありません. 型なしラムダ計算で喜ぶような人間が使うための諸刃の剣です. この記事の内容は TypeScript の 2022 年 1 月時点での最新版である 4.5.4 に基づいています. 将来のバージ…

再帰的型定義ではオブジェクト型のプロパティの遅延評価に注意

この記事の内容は typescript@4.5.4 で動作確認しています. TL; DR TypeScript において, オブジェクト型のプロパティは必要になるまで評価が遅延される 遅延されていたプロパティの評価が行われるときには, TypeScript 4.5 の末尾再帰の最適化が効かない 例…

TypeScript をより安全に使うために まとめ

こういう一連の記事を書きました. susisu.hatenablog.com susisu.hatenablog.com susisu.hatenablog.com TypeScript の型安全性 TypeScript の型システムは健全ではありません. TypeScript Design Goals にある通り, そもそも言語設計の段階で完璧な型安全性…

TypeScript をより安全に使うために その 3: オブジェクトの index signature とオプショナルなプロパティを避ける

どんどんタイトルが長くなっている. 前回はこちらです. susisu.hatenablog.com 引き続き環境は以下を前提とします: TypeScript 4.4 (この記事を書いている 2021 年 11 月時点の最新版) strict: true おさらい Index signature オプショナルなプロパティ 原則…

TypeScript をより安全に使うために その 2: オブジェクトの具体的な形にアクセスするのを避ける

前回はこちら. susisu.hatenablog.com 引き続き環境は以下を前提とします: TypeScript 4.4 (この記事を書いている 2021 年 11 月時点の最新版) strict: true 原則: オブジェクトの具体的な形にアクセスするのを避ける 具体例 in 演算子による型の絞り込み Ob…

TypeScript をより安全に使うために その 1: オブジェクトの mutable な操作を避ける

ふだん TypeScript のコードレビュー時に参考に貼ったりしている内部ドキュメントがあるのですが, 内部では何かと人目につきにくいので, 内容を整えて公開していきます. TypeScript の型システムは安全ではありません. つまり型検査を通過したコードであって…

exactOptionalPropertyTypes によせて

TypeScript 4.4 に exactOptionalPropertyTypes というオプショナルなプロパティに関するコンパイラオプションが追加されるのを受けて, そもそもオプショナルなプロパティとは何なのか, どういったときに使うと良いのか, exactOptionalPropertyTypes がどう…

引数の型を推論してから受け付けるかどうかを決める後出しパターン

2023-05-24 追記 改訂 + α 版を書きました. お題 具体例として, ちょうど長さ 3 の文字列のみを引数として受け付ける関数を作ります. こんな関数を作って何がしたいのかは不明. 先出しパターン よくある手段としては「ちょうど長さ 3 の文字列」のような制約…

コード中の定数の greppability と TypeScript の進化

TL; DR コードの greppability のために文字列操作を禁止する目的で string literal type (の union) なら受け付けるが string は受け付けないという関数を作っていたのだけれど, どうにも TypeScript が賢くなりすぎてしまった— 塩水うに (@susisu2413) Jan…

ここ 1 年くらいで作った有象無象まとめ

私が個人的に作ったものはいくつかはこのブログで紹介したりしていますが, そのように個別に紹介するほどでもない有象無象たちにも出番を与えてみようという企画です. だいたい 2019 年末ぐらいからのものが入っています. tyde github.com 型安全で自分好み…

TypeScript の型の再帰上限を突破する裏技

TypeScript 4.1 で再帰的な conditional type の定義に制限がなくなり (ref), 今後ますます再帰的な型定義をする / 触れることが多くなろうかと思います. 一方で TypeScript が型をインスタンス化する際の再帰の上限はそこそこ厳しく, ちょっと複雑なことを…

Template String Types でパス文字列を解析してクエリする

※この記事に含まれる内容は TypeScript 4.1 のプレビュー版のものです. 今後仕様が変わり動かなくなる可能性もありますのでご注意ください. 話題の template string types で早速遊んでみます. ゴール .foo[1].bar といった形のパス文字列を型レベルで解析し…

TypeScript で次元つきの物理量を安全に扱う

キーワード: 型レベル整数, 幽霊型 前回の記事の予告通り, TypeScript 4.0 で次元つきの物理量の計算を安全に行うためのライブラリを作ってみました. ただし現状では PoC で, 実用に足るかまでは考慮していません. github.com 物理量についての計算を行う場…